発達障害のある娘を連れて海外に移住して良かったこと③お友達が優しい

前の記事からの続きです。

 

③ お友達が優しい

これは本人が言っていることです。

私が「今の学校どう?」のような質問をした時に、このように答えたと記憶しています。

 

日本にいた時も、あおたんはお友達に恵まれていました。

私達は「落ち着いた住宅地」「教育熱心な家庭が比較的多い」と言われるような地域に住んでいました。

公立小学校1年生の初めての保護者会、クラスの保護者の出席率は100%でした。

運動会や展覧会といった学校行事を見に行った時も、全体に、「家庭で大切に大切に育てられている優しいお子さん達なんだな」という印象を受けました。

アオイは通学路が同じだったクラスメイトの女の子2人と仲良くなって、学校でもよく一緒に遊んでいるようでした。

 

ただ、あおたんは全体に幼いので、やはり時々、ついていけてないなと感じることもありました。

例えば、ちょっとした急ぎの用事があって、私が下校中のアオイを自転車でピックアップしに行った時のこと。

いつも通学路が同じクラスメイトの女の子3人で歩いて帰ってくるのですが、その日はアオイが一人で歩いていました。

少し離れた後ろを残りの2人が並んで歩いていました。

私が「あおたん、どうして一人で歩いてるの」尋ねると、

アオイは「YちゃんとHちゃんが『あおたん、先に行ってていいよ』って言った」と言うのです。

私は、何かYちゃんとHちゃんの気持ちが分かるような気がしました。

あおたんて、込み入った話が苦手なのです。

たぶんYちゃんとHちゃんは二人のテンポと理解度で話し合いたいことがあったんだろうなと思いました。

 

三人は、多くの時は、三人揃って、キャッキャ、キャッキャと楽しく過ごしていました。

YちゃんとHちゃんは、おあたんがマレーシアに行くと知ってとても悲しんでくれ、心のこもったお手紙や記念品を用意してくれたりもしました。

 

そんなわけなので、日本の友達も十二分に優しかったし、いいご縁があったことを私もアオイもとても有り難く思っているのです。

 

それなのに、私が「今の学校どう?」と尋ねた時に、アオイが「お友達が優しい」と答えるというのはどういうわけなのでしょうか。

私が思い付く理由は2つあります。

 

1つ目は、①で書いた「学年を下げられる」という利点から来るものです。

要するに、周囲にいるお友達の興味関心やコミュニケーション能力と、アオイのそれが、レベル的に合っている、ということなんだろうなと思います。

日本にいた時、やっぱりアオイは、常に余裕があんまりないというか、一生懸命周囲に追いつこうとしなくてはならない立場にあったんだろうな、と思います。

 

2つ目は、

日本の学校では「同質性が高い中で競争しなくてはならない」という側面が大きかったのに対し、

マレーシアのインター校では「多様性がある中で協力する必要がある」という側面が大きいのかもしれない、と感じています。

 

完璧には言語化できていないのですが、とりあえず、友達同士、色々と違うから、細かく比較しないで済み、そのためギスギスしていないことは感じます。

日本は同質性が高すぎて、けっこう息苦しかったよなぁー、と思うのです。

今はもう、クラスメイトと言っても、肌の色も違うし、髪の毛も違うし、母国語も違うし、年齢も違うし、その他いろいろと違うので、逆に何かと楽な気がします。

 

アオイは、授業中に分からないことがあって ”Help me.” と言ったら、クラスメイトが教えてくれたのが嬉しかった、と話していました。

学校から帰ってくる車の中では、同じYear2のザンビアの男の子と、ミャンマーの男の子と、3人で「スパイダーマンのトイレ」の話をするのが超楽しいんだそうです。

 

今朝はここまで。ありがとうございました。